ディンゴ (装甲車)
オーストリア陸軍のATF ディンゴ2 | |
基礎データ | |
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全長 |
5.45m(短車体) 6.8m(長車体) |
全幅 | 2.3m |
全高 | 2.5m |
重量 | 8.8-11.9t |
乗員数 |
5名(短車体) 8名(長車体) |
装甲・武装 | |
主武装 |
GMW 40mmグレネードマシンガン M2 12.7mm重機関銃 MG3 7.62mm汎用機関銃 上記の内いずれか1種類を搭載 |
機動力 | |
速度 | 100km/h |
エンジン |
ディーゼル 222hp |
懸架・駆動 | 4x4 |
行動距離 | 1,000km |
ATF ディンゴ(ドイツ語: Allschutz-Transport-Fahrzeug(ATF)Dingo)は、ドイツのクラウス=マッファイが製造する歩兵機動車(Infantry mobility vehicle、IMV)である。Allschutz-Transport-Fahrzeugは、全防護輸送車輌を意味する。
概要
[編集]ATF ディンゴは、ウニモグのシャーシに地雷対策のV字底(V-hull)を取り付け、地雷や小火器の銃弾、砲弾の破片に耐えられるだけの装甲とNBC防護装備を備えている。
ディンゴの車体はモジュラー構造となっており、シャーシ、防御区画、貨物収納区画、エンジンルーム、地雷の爆風除けの底部区画の5つの部品から構成される。車体後部の貨物収納区画の上部は、重量軽減のために防水布が張られている。
現在、ATFディンゴには新たに改良型のディンゴ2が登場した。ディンゴ2は、改良されたウニモグU5000のシャーシを基にしており、防御力を強化するとともに搭載量の向上を図っている。ディンゴ2の車体には、全長3.25m(搭載量:3.5t)のものと全長3.85m(搭載量:4t)のものの2通りが用意されており、後者では防御区画内に8名が搭乗可能。
兵装
[編集]兵装については、車体の屋根の上にフェネック偵察車から流用した潜望鏡利用・機械式の兵装ステーションを取り付けており、車内から頭部や体をさらすことなく安全に兵装の射撃が行える。ドイツ陸軍では主にラインメタルMG3を搭載しているが、必要に応じて兵装をブローニングM2重機関銃やH&K GMWに換装することが可能である。
最近、ドイツ連邦軍は、クラウス=マッファイが新たに開発した完全リモートコントロール式のOWS、FLW 100(H&K MG4もしくはラインメタルMG3を搭載)とFLW 200(ブローニングM2重機関銃もしくはH&K GMWを搭載可能)を新たに数百機調達して、ATF ディンゴやフェネックなどの車両に取り付ける計画である。
採用国
[編集]- オーストリア
- ベルギー – 220両(ディンゴ2)、132両追加予定。
- チェコ - 21両(ディンゴ2)
- ドイツ - 147両(ディンゴ1)、240両(ディンゴ2)2013年までに合計530両配備予定。
- ルクセンブルク - 48両(ディンゴ2)2009年-2010年にかけて受領予定。
- カタール
- ウクライナ - 50両(ディンゴ2)、2022年にドイツからの供与が決定。
ギャラリー
[編集]登場作品
[編集]アニメ・漫画
[編集]- 『老後に備えて異世界で8万枚の金貨を貯めます』
- 地球の傭兵団「ウルフファング」の指揮車両として登場した。主人公ミツハ(山野光波)と隊長さん、運転手の兵士の3名が乗り込んでいた。
脚注
[編集]出典
[編集]- ^ The International Institute for Strategic Studies (IISS) (2023-02-15) (英語). The Military Balance 2023. Routledge. p. 73. ISBN 978-1-032-50895-5
- ^ The International Institute for Strategic Studies (IISS) (2023-02-15) (英語). The Military Balance 2023. Routledge. p. 349. ISBN 978-1-032-50895-5